2018年10月18日
認知症について考えてみよう ~前頭側頭型認知症~
今回紹介する前頭側頭型認知症は、近年になって取り上げられるようになりました。
この病気は、前頭葉(思考や感情の表現、判断をコントロールするため、人格や理性的な行動、社会性に大きく係わります。)と側頭葉(言語の理解、聴覚、味覚のほか、記憶や感情を司るます。)が萎縮して起こる認知症です。
主に、40代~60代に多く発症し、男女差はありません。
前頭側頭型認知症の初期にはもの忘れや失語はあまり見られず、人格の変化や非常識な行動が目立ちます。その為、精神疾患と診断
されてしまう場合があるので、鑑別診断が重要となってきます。
10年前後で寝たきり状態になると言われており、筋委縮や筋力低下がある場合は、その進行がさらに早いとされています。
初期から行動異常や人格の変化が見られ、経過によって出現する症状はが変化します。
初期の症状は、以下のとおりです。
◎自発性の低下
自ら何かに取り組む姿勢が見られなくなります。家事をしなくなる、質問しても真剣に答えないで適当に答える、ぼんやりして何もしない、引きこもるといった様子がみられます。
◎言語障害
知っているはずの言葉も意味を分からなくなり、物の名前が出にくくなります。また文字を読み違う場合もあります。
◎感情の麻痺
感情が鈍くなり、他人への興味がなくなります。また、病気で寝ている家族に普段と同じ食事を要求するなど、共感・感情移入ができないなどが起こります。
◎食事や嗜好の変化
食習慣に変化が見られます。食事のメニューにこだわり、同じものをいくつも食べたり、盗み食いをしたりします。甘いものを過剰に摂るようになることも多くなります。
◎抑制が効かない
刺激に対する反応や欲求が抑えきれず、本能のまま行動するようになります。相手に対して遠慮がなるくなり、礼儀に欠ける行動をとったり、暴力をふるう、社会性がなるなる、悪ふざけなどがみられます。万引きをしたり、痴漢行為など反社会的な行動も出てきますが、道徳観が低下するため、本人には罪悪感がありません。
中期の症状は、以下の通りです。
◎同じ行動を繰り返す
同じ行動を繰り返す「常同行動」が現れます。例えば、毎日同じ時間に同じ道順で散歩する、同じメニューを作る、なくまるまで
食べ続ける、決まった時間に決まった行動を取らないと気がすまない(時刻表的な生活9、手を叩くなどがみられます。
◎立ち去り行動
集中力がなくなり、周りの状況を考えず突然立ち去ることがあります。例えば、話の最中にその場を離れてしまったり、診察中に突然診察室を出て行ったりします。
◎影響を受けやすく反復する
周囲で起こっているのことに影響されやすくなります。相手の言葉をオウム返しに繰り返す、動作を真似る、同じ言葉を言い続ける等が挙げられます。
後期の症状は、以下の通りです。
◎精神機能の荒廃
後期になると精神機能は荒廃してきます。中期には頻繁に出ていた常同行動も意欲低下が激しくなると部屋の中をうろつくなど単純なものとなり、やがて動くこともなくなります。食べる意欲もなくなってきます。
◎寝たきり
発症後平均6から8年で寝たきりの状態になると言われています。筋力の低下や筋委縮により自分で身体を動かすことが出来なかったり、動かす意欲が湧かなくなるめと言われております。
以上が進行具合ですが、ケアをするポイントとなるのは・・・
◎落ち着いて過ごせる環境を整える
周りの声や人の動きなど、外からの刺激に敏感になりやすいのがこの病気の特徴です。不安感から症状が出ることがあるので、なじみの環境や特定の介護者を作るなど、本人が安心できる環境を整えることが大切になります。
◎症状の特徴を上手に利用する
症状の一つである影響の受けやすさを活かしてケアに取り入れてみる。相手の行動を真似るので、笑顔で接することを心がける。
言葉を理解しにくい場合は、ジェスチャーを加えながら優しく接することで、意図が通じる場合があるようです。
また、同じ行動を繰り貸すことをケアに活かすことも有効です。例えば、洗濯物をたたむ、洗い物を片付ける、掃除といった家事や本人の得意なことや好きだった趣味(折り紙、園芸、編み物、体操など)を介護者と一緒に行ってみるのもよいでしょう。決まった時間に毎日行うことで、生活のリズムがつき、作業療法の一環になります。その際、集中できる環境を整える、一度に多くのことを求めない、失敗しても責めない、無理強いしないことが大切となります。
今回お話をした前頭側頭型認知症は、患者数約12000人と言われ、希少でありますが、認知症患者が増えると予想されていることから今後、増える可能性があり、注目する認知症となると思いますので、参考にしてください。
この病気は、前頭葉(思考や感情の表現、判断をコントロールするため、人格や理性的な行動、社会性に大きく係わります。)と側頭葉(言語の理解、聴覚、味覚のほか、記憶や感情を司るます。)が萎縮して起こる認知症です。
主に、40代~60代に多く発症し、男女差はありません。
前頭側頭型認知症の初期にはもの忘れや失語はあまり見られず、人格の変化や非常識な行動が目立ちます。その為、精神疾患と診断
されてしまう場合があるので、鑑別診断が重要となってきます。
10年前後で寝たきり状態になると言われており、筋委縮や筋力低下がある場合は、その進行がさらに早いとされています。
初期から行動異常や人格の変化が見られ、経過によって出現する症状はが変化します。
初期の症状は、以下のとおりです。
◎自発性の低下
自ら何かに取り組む姿勢が見られなくなります。家事をしなくなる、質問しても真剣に答えないで適当に答える、ぼんやりして何もしない、引きこもるといった様子がみられます。
◎言語障害
知っているはずの言葉も意味を分からなくなり、物の名前が出にくくなります。また文字を読み違う場合もあります。
◎感情の麻痺
感情が鈍くなり、他人への興味がなくなります。また、病気で寝ている家族に普段と同じ食事を要求するなど、共感・感情移入ができないなどが起こります。
◎食事や嗜好の変化
食習慣に変化が見られます。食事のメニューにこだわり、同じものをいくつも食べたり、盗み食いをしたりします。甘いものを過剰に摂るようになることも多くなります。
◎抑制が効かない
刺激に対する反応や欲求が抑えきれず、本能のまま行動するようになります。相手に対して遠慮がなるくなり、礼儀に欠ける行動をとったり、暴力をふるう、社会性がなるなる、悪ふざけなどがみられます。万引きをしたり、痴漢行為など反社会的な行動も出てきますが、道徳観が低下するため、本人には罪悪感がありません。
中期の症状は、以下の通りです。
◎同じ行動を繰り返す
同じ行動を繰り返す「常同行動」が現れます。例えば、毎日同じ時間に同じ道順で散歩する、同じメニューを作る、なくまるまで
食べ続ける、決まった時間に決まった行動を取らないと気がすまない(時刻表的な生活9、手を叩くなどがみられます。
◎立ち去り行動
集中力がなくなり、周りの状況を考えず突然立ち去ることがあります。例えば、話の最中にその場を離れてしまったり、診察中に突然診察室を出て行ったりします。
◎影響を受けやすく反復する
周囲で起こっているのことに影響されやすくなります。相手の言葉をオウム返しに繰り返す、動作を真似る、同じ言葉を言い続ける等が挙げられます。
後期の症状は、以下の通りです。
◎精神機能の荒廃
後期になると精神機能は荒廃してきます。中期には頻繁に出ていた常同行動も意欲低下が激しくなると部屋の中をうろつくなど単純なものとなり、やがて動くこともなくなります。食べる意欲もなくなってきます。
◎寝たきり
発症後平均6から8年で寝たきりの状態になると言われています。筋力の低下や筋委縮により自分で身体を動かすことが出来なかったり、動かす意欲が湧かなくなるめと言われております。
以上が進行具合ですが、ケアをするポイントとなるのは・・・
◎落ち着いて過ごせる環境を整える
周りの声や人の動きなど、外からの刺激に敏感になりやすいのがこの病気の特徴です。不安感から症状が出ることがあるので、なじみの環境や特定の介護者を作るなど、本人が安心できる環境を整えることが大切になります。
◎症状の特徴を上手に利用する
症状の一つである影響の受けやすさを活かしてケアに取り入れてみる。相手の行動を真似るので、笑顔で接することを心がける。
言葉を理解しにくい場合は、ジェスチャーを加えながら優しく接することで、意図が通じる場合があるようです。
また、同じ行動を繰り貸すことをケアに活かすことも有効です。例えば、洗濯物をたたむ、洗い物を片付ける、掃除といった家事や本人の得意なことや好きだった趣味(折り紙、園芸、編み物、体操など)を介護者と一緒に行ってみるのもよいでしょう。決まった時間に毎日行うことで、生活のリズムがつき、作業療法の一環になります。その際、集中できる環境を整える、一度に多くのことを求めない、失敗しても責めない、無理強いしないことが大切となります。

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