2010年04月23日

舌のみかた(3)

 皆さん!!突然ですが、自分の舌の裏側を見たことありますか?

 ほとんどの方が見たことがないじゃないですか?

 当たり前です。必要と感じないから見ないと思います。

 でも、舌診では舌の裏側を見ます。

 何を見るというとまず色です。

 舌の表は苔があり、色がボケている可能性もあるので、裏の色で舌の色を再確認するのです。

 次ぎに舌下静脈(ぜっかじょうみゃく)の状態です。

       舌のみかた(3)
《青く丸で囲んだ部分に舌静脈の腫れが見えると思います。》

 この部分にどす黒い色が出て、へびがトグロを巻いたように腫れているのかを観察します。

 これで何が分かるかというと、『血瘀(けつお)または瘀血(おけつ)』の有無が分かります。

 つまり、舌下静脈(ぜっかじょうみゃく)が腫れていると『血瘀(けつお)または瘀血(おけつ)』があると診断するのです。

 『血瘀(けつお)または瘀血(おけつ)』はテレビなどで、漢方を扱う医師の解説があり、ご存知に方もいると思います。

 東洋医学では、身体を栄養する血(ケツ)がある部分で停滞したことを示す病気の症状です。

 西洋医学的には、血管に血液が詰まる血栓や梗塞に近いイメージをもっていただければ、なんとなく理解できると考えます。

 ただ、『血瘀(けつお)または瘀血(おけつ)』=血栓・梗塞ではありませんので、注意していただきたいと思います。

 『血瘀(けつお)または瘀血(おけつ)』の所見は、皮膚が鮫肌のようになる。顔色がくろい。便が黒いなどありますが、痛みに特徴があります。

 痛みは、ズキンズキンする刺痛(刺し込むよう痛み)が特徴で、安静でも痛み、特に夜間安静に痛みが増強するのが特徴です。

 女性では、生理時の刺し込むような痛み、生理時に排出される血の塊。これらも『血瘀(けつお)または瘀血(おけつ)』の示す所見となります。

 上記の症状を表す『血瘀(けつお)または瘀血(おけつ)』の舌診は、診断だけでなく、治療の効果判定でも使われます。

 次回は、このことを『血瘀(けつお)または瘀血(おけつ)』の一例を出して説明します。


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Posted by 久保田さん  at 14:31 │Comments(0)診察について

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