2018年07月02日

認知症について考えてみよう 認知症の物忘れと加齢による物忘れの違い

50歳をすぎることから、ペンを取りにそこに来たのに、「何しにきったのかな?」と思うことがありませんか?

 物忘れが頻繁になると“ボケの始まり”と思う方もあるかもしれません。

 実は、これは短期記憶をつかさどる海馬が加齢で衰えてきているからで、認知症ではありません。(但し、アルツハイマー型認知症では、海馬が侵されるので、短期記憶が衰えます。)

 私たちは、年齢を重ねるともに海馬の衰えが進み、新しいことを覚えにくくなります。

 では、認知症と加齢による物忘れ違いにはどんな違いがあるのでしょうか?

 認知症の患者さんには、中核症状というものがあるのですが、これは後日お話することにして、今回は簡単な見分け方についてお話をしていきたいと思います。

 認知症と加齢による物忘れの簡単な見分け方は、加齢による物忘れは、体験した内容を忘れるのに対して、認知症の物忘れは、体験したこと事態を忘れることです。

 具体的な例として、『昨晩の夕食は何を食べましたか?』という質問に対して・・・・・

 加齢による物忘れの方は、夕食を食べたことは覚えているのですが、どんなメニューを食べたか思い出せないこと状態がある人です。

 では、認知症の物忘れは、上記の質問にたいして『昨晩は、夕食を食べていない。』と答えます。

 このように、体験したこと事態を覚えていながら細かいことになると忘れてしまうことが加齢の物忘れであり、体験したこと事態を忘れてしまうのが、認知症の忘れとなります。

 年をとり物忘れが多くなったと心配の方がいると思いますが、体験したこと自体を覚えていて細かなことを覚えていない場合は、加齢による物忘れですので、心配なさないでください。face15

 ただし、体験したこと事態忘れる場合は認知症の可能性がありますので、早期の受診が必要になります。face17


  


Posted by 久保田さん  at 16:58Comments(0)介護