2016年05月21日
中小企業のための「引き算する勇気」~会社を強くする逆転発想~とは?

平成28年5月19日 ペガサート6階にて静岡市産学交流センターのセミナーが開催され、行って来ました。
今回は、中小企業のための「引き算する勇気」~会社を強くする逆転発想~と出して、静岡県立大学経営情報学部 岩崎邦彦先生の講演が行われました。
岩崎先生の講演ですが、静岡市産学交流センターではここ数年行われいて、私も今回が3回目の聴講となりました。
今回の話は、昨年の講演された内容を一部含みながら、今回出版された本の内容を含む形となりました。
ここでは、この講演の大まかな内容をご紹介したいと思います。
まず、ここ数年多くの中小企業では、「よい商品が色々あるのに、成果がでない」「多くの機能がついているのに、売れない」「長所がたくさんあるのに、選ばれない」と言う企業の声があるそうです。
そこで、岩崎先生が提唱する21世紀のマーケティングは、押す力⇒引く力・・・
つまり、引き算によって本質的な価値が引き出され、顧客を引きつけることができる。
引き算に惹かれる消費者の具体的に例として、シンプルな商品は、使いやすい。
機能が多い商品は使いにくい。
ただ、多くの経営者は、顧客の減少が起きると、「何か売れる物はないか」と考え、品ぞろえの足し算をしてしまうもの・・・
その結果、個性が希釈化して、何が良い物か消費者に見えづらくなり、これが更なる顧客の減少に繋がってしまっている。
その例として、以下のどちらの店の「ケーキ」に魅力を感じますかと質問をすると・・
A店:こだわりのケーキを販売するお店
B店:こだわりのケーキ、菓子、パン、清涼飲料水、食料品を販売するお店
このA店とB店を比較すると、圧倒的にA店のケーキが良さそうと感じるそうです。
B店は、スーパーまたはコンビニと言う感じがするので、こだわりのケーキを作っているように見えないかもしれませんねー。

そして、B店のようなお店では上記したスーパーとコンビニで売っている商品と重なっているために、競争相手が帰って増えてしまいます。
まさに、足し算(広さの追求)をすると競合相手を却って増やしてしまうとのことでした。
因みに、A店の場合は、オンリーワンなので、その業種のナンバーワンになれば、目立つようになります。
つまり尖ったものが、あれば引きつける力があるということです。
そして、尖ったつまり、引き算をするということは、深さの追求であり、これは他の業種と重ならい部分となり、この部分のナンバーワンになる可能性を秘めています。
この尖った部分を作る場合に、自社の弱い部分に注目すると、それは足りない部分の改善となり、平均的なのもになるだけで目立つものには、ならない。
そこで、自社の強みに注目すると、尖がった部分となり、個性的に見えるようになる。
これを、岩崎先生は「マーライオンの法則」と言っているそうです。
皆さんもマーライオンと言えば、シンガポールを浮かべると思います。
シンガポールはマレーシアから独立した国で、国土もマレーシアより小さいですが、日本人から見たらシンガポールの方の認知度の方が高く感じると思います。
ただここで、注意しなければならないのは、「良い引き算」と「悪い引き算」があること・・・
「良い引き算」は価値を生み出し、「悪い引き算」は価値を生まない。
「良い引き算」は考え抜き、「悪い引き算」は手を抜く。
「良い引き算」は知恵を絞り、「悪い引き算」はコストを絞る。
なかなか難しいのですが、足し算でなく掛け算になるのならよいとのこと。
例として、「どのお店で緑茶を買いたいですか?」
A店:緑茶、海苔、しいたけを取り扱うお店
B店:緑茶と和菓子を取り扱うお店
C店:緑茶とコーヒーを取り扱うお店
さて、結果は圧倒的にB店と答える人が多いそうです。
A店は、乾物つまり物つながり、B店はお茶に和菓子がつく事つながり、C店は飲み物つながり・・・
つまり、B店のようにお茶に和菓子がついて、楽しめるコトつながりの掛け算にすると、追加商品が生かされるそうです。
以上が、今回の講演の抜粋をしましたが、皆様の参加になることがあれば幸いです。
