2022年04月12日
お気に入りの本『浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟』

今回紹介するお気に入りの本は、『浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟』です。
著者は、創業100年 「飯田屋」6代目店主 飯田雄太さんです。
この本は、倒産しそうな家業を継いで、著者自信が変革することによって繫盛店に変わった実際の記録を当時のご自分の気持ちと合わせて、書かれた本です。
内容としては、会社に入社して、「多くのお客様に来てもらうには、他店より安くお客様は来ない!!」と思い、商店街にある店舗の値札を調査をして、安値の値札をつけたのに、本人の思い違い、お客様全く増えずの閑古鳥の状態に

そんな中、著者に啓示を与える一人目の神様に会います。
その人は、料理屋の大将で、棚のおろし金を手に取ると「どれが一番軟らかい食感の大根おろしができるの?」と著者に問いかけてきました。
当時安値に夢中で商品知識がなかった著者にその人は、「また来るから見つけといて」と宿題を出し、帰っていきます。
その一人目の神様が来店する間、いくつものおろし金を仕入れて使ってみたところ、おろし金によって食感が全く違うことに気づきます。

試行錯誤をして、やっと一人目の神様が納得しうなおろし金を見つけて、その方が来店した時に提案すると、とても気に入ってもらえました。
ただ、そのおろし金は“5000円”と高価な物…。
果たして、価格を聞いて購入してもらえるか、心配をしてところ、その方は、値引きなしで購入。
合わせて「また来るからな」と言って帰っていきました。
この経験から、高価な物でも「満足して貰えば喜んで買ってくれる。」と学び、値引きをしない正礼販売(しょうふだはんばい)を行うことを決意しま
す。

そして、しばらくしてまた啓示を与える二人目の神様に出会います。
その方は、スーツを着たビジネスマンで、ケーキの金型を探しているということで、その場所を案内すると金型の成分について聞いてきました。
なんで、そんなに成分を聞くのか聞いてみたところ、その方は「実は、僕の子供がニッケルアレルギーって金属アレルギーで、市販のケーキを食べさせてあげられないだよね。小麦アレルギーとか牛乳アレルギー向けのケーキはいくらでも手に入るのだけれども、ニッケルアレルギーは売ってなくてさ、自分の子がケーキのおいしさを知らずに大きくなっていくと思うと、なんか悲しくてさ…。だったら自分が作ってやるかって思ったんだ。」
しかし、結局その方の期待に応える商品はわからず、何一つ購入せずに帰っていきます。
著者は、自分の子供ために専門店に来店した方に対して、専門店と名乗っておきながら自分の商品知識がなく、期待に応えられなかったことに悔いを感じます。

これ以降、飯田屋は、「マイノリティ(少数派)」の人達のために、左利きの料理道具や子供向け専用のコーナーを設ける料理道具専門店に変わっていきます。
その後ある、セミナー受講きっかけに料理道具専門のブログ書き始めるたところ、雑誌の編集者の目に留まり、記事を書くことになります。
それが、テレビ出演に繋がり、そのおかげで飯田屋にお客さん来店するようになります。
しかし、その頃に従業員のいっせい退職が重なり、従業員との関係がギクシャクし、お客様にも影響するようになります。
この時、母に勧められたセミナーに参加すると、その講師から「従業員は、自分と自分の家族の幸せの為に働いている。」と教えられ、その言葉より働き方改革を行い、従業員の権限を大きくして、全員がバイヤーとなって経営に当たるようになります。
そうして、「たった一人のお客様でいいから、たった一つの最高の商品をご提案することで、満面の微笑みを見せてもらいたい。お客様に自信を持って提案できる料理道具をやりたい!」と著者の思いに従業員もついていくようになり、毎年売上が更新するお店に変わっていきます。
帯に書いてありますが、“営業方針はまさかの「売るな」で大繁盛”と書いてありますが、飯田屋では「売れ筋商品をまったくおかず、ただ、お客様が本当に求める商品を買っていただき、道具を使って“幸せになっていただきたい。”」と言う思いで、日常の営業を行っています。
それを統括すると帯の一番したにある言葉「私達の“業”は「喜ばせ業」なのです!!」に集約されているのです。
この本は、つぶれそうな小さなお店が繁栄して行く、ドキュメンタリーストーリーです。
ウソ偽りがないので、とても読んだ後に、気持ちがスッキリしました。

もし、良かったらアマゾンで購入していただければ、手に入ると思います。
