2018年12月07日
B-nestセミナー『トリイソース創業大正13年変わらぬ想いと進化する味』

平成30年11月22日に静岡産学交流センターのセミナーがペガサート6階で開催され、行ってきました。
今回は、『トリイソース 創業大正13年 変わらぬ想いと進化する味~オムライス用ソースはどうして生まれたのか~』と題して、鳥居食品株式会社 代表取締役社長 鳥居大資氏の講演が行われました。
トリイソースは、浜松にあり、鳥居大資氏が3代目に社長さんで、遠州では知られたソースメーカーです。
講演では、まず日本のソース文化の変遷や自らの生い立ち触れ、その他に経営戦略や今後の事業の展開をお話されました。
鳥居社長は、学歴をお持ちで、慶応義塾大学の経済学部で経済学を学び、アメリカのスタンフォード大学大学院で日米中の三国関係について学び、その後に三菱商事に入社。
また、その4年後にアメリカのGEに転職して、その後浜松に戻られ、家業の会社に戻り社長になった方です。
そのこともあり、お話も論理的で分析力もあり、次世代の若手経営者という感じでした。
本業のソースついては、業界全体で年々需要が減り続けていること。
そのシェアの6割が大手のブルドックソースとカゴメとオタクソースがもっており、残り4割を中小の会社が占めているとのこと。
大手との差別化をすることで、違いを出そうとする社長のお話は魅力的でした。
その一つがオムライスソースで、大手のやらないニッチな部分で勝負をしようとして、顧客にアンケートを実施して、オムライスにケッチャップをかけると味が濃くなるので、嫌だ!!
という人にオムライスソースを開発して販売。
また、家庭でカレーライスを作ると、子供は甘口のカレーが好きですが、大人は辛口のカレーが好きなことが多い。
専業主婦が多かった昔は、子供さんには甘口カレーをご主人には辛口カレーを作れたが、現在は働く主婦が多くなったので、2種類のカレーは作ることができない。
そこで、甘口のカレーにソースをかけることで、辛口カレーの味になるソースを開発して販売する。
もう一つの戦略として、もともと家内工業でして、新しい設備がなかったのを逆手にして、大手のやらない桶を熟成に使った製法で差別化を図るなど、逆転の発想は、面白かったです。
そして、やっぱり宣伝をすることも忘れずしており、ラジオCMやサイトでの販売も行っているそうです。
今回講演を聞きまして、自分の持っているものをしっかりと把握したうえで、世の中の流れやその状況で活かせる強みを見つけることが小さな事業所の生きていく上で、大事なことだと学びました。
