2016年11月05日
今の時代にヒットする商品開発とは ~時代をの気分を読み解く感性トレンド~

平成28年10月25日(火)に静岡産学交流センターのセミナーがペガサート6階であり、行ってきました。
今回は『今の時代にヒットする商品開発とは ~時代をの気分を読み解く感性トレンド~』と題して、株式会社感性リサーチの手塚祐基氏の講演が行われました。
この講演の概略を自分なりにまとめたものをご紹介します。
手塚氏は、大学卒業して時計のデザインの仕事に就きましたが、いい物を作っても売れないことがある。
また、売れていたブランドの時計が、ある時期になるとだんだん売れなくなり、そのブランド自身も人気がなくなってしまう。
ですから、人気を維持するには、次々に新しいデザインを考えていかないといけないとに不安を思っていた時代があり、そんな時に現在の会社社長黒川伊保子氏に出会い、物が売れるのは、その時代に気分に左右されることを知ったそうです。
そして、その気分を作っているのが脳であり、その法則を知ることにより、売れるものが把握することができると言うのが講演の趣旨です。
脳が生み出す気分として、快・不快の2大気分があります。
この快・不快は、男女で違い、年齢によって違い、時代によって違う。
そして、この気分を2つに分けることができる。
それは、アナログ気分をつくる回路とデジタル気分をつくる回路
アナログを作る回路は、長い神経線維をつか、脳の離れた各所を結びつけ、「複雑な事象」を認識する回路。
危険察知、顔の認識、空気を掴む。
直感(インスピレーション)、つかみ、情を作る回路
具体的な事例は、多様性を愛する(バラエティ好き、出来ない子ほどかわいい)、複雑な形状が好き(ヒョウ柄、バラ模様、ふっくら高さがある・・例ベッカムヘア、左右
非対称)、簡単なことも、複雑にしたがる(結論からはなさい)、流線形のメカ、アート好き、ドラマティックが好き、動物好き、甘い物好き、意外性、特別、例外等。
一方デジタル気分を作る回路は、 短い神経線維を使い、脳の局所において、近い概念の高速処理を行う回路。
数値計算、論理計算、損得勘定、空間認識、合理的思考を作り出す回路。
具体的ない事例は、脳が簡単な事象を好む、秩序を愛する(統率/グローバル、世界の標準、権威主義)、簡潔な形状が好き(無地、ストライプ、直線、横長、シャープ)
複雑なことも、簡単にしたがる(結論から話す・・・結論しか言えない、図表好き)、機能的なメカ、科学技術が好き、勝ち負けにこだわる、必然性、公平、秩序、普遍等
そして、大衆感性は56年周期。
人は、7年で飽きる。但し7年で感性が真逆になるのではなく、28年かかる。
感性には、アナログ気分/デジタル気分の2軸があり、大衆全体の気分傾向のアナログピークからデジタルピークまでが、28年、そこから再びアナログピークに至るまでが28年という周期が存在する。
現在は、2013年からアナログピークからデジタル気分に向かう28年となり、規範的、社会本位(客観の時代)、純粋にカッコいいものに憧れる。
カッコつけるためには、多少の不便さ、不自由さには、目をつぶる/責務のためには命がけで頑張る(快適さより成果、コンテンツよりブツ)
そして、大衆感性の方向性(時代の風)は、「ひらひら」したいという付加価値重視から「しっかり本格派」に憧れたい、つまり本質重視へ。
「アマチア容認」から「プロのリスペクト」へ、「空気が読める人」から、「凛々しく貫ける人」へ、「自己愛」から「自尊心」へ。
味覚は、甘っこさから、さっぱりとした味へ、
今後、自分が快適なるものから憧れな商品に飛びつく傾向があるので、ユーザーニーズ指向から技術革新指向への変化する。
つまり、消費者はいままで想像しなかった商品に飛びつく傾向があるので、その企業しか作れないものを商品提案をする時代に変化するとか。
今後、大衆は『何かに憧れたい』気分で満ちあふれる傾向があるので、このトレンドを読んでいくのも現代を生き抜く必要要素となるかもしれません。
以上が、講演の概略でした。
企業としては、そこの会社しか作れないものをどこのユーザーに需要があるのかを探り、その需要のあるユーザーに分かりやすく説明していくことで、購入に結び付く。
そんな、営業活動が必要とされる感じを受けた今回の講演でした。
