2012年05月10日

抑肝散のネーミングについて

 前回は、認知症の周辺症状(幻覚、妄想、抑うつ、興奮、焦り、不眠などの心理症状や攻撃的言動、徘徊、奇異な行動)に対して、効果があるとして、抑肝散(よくかんさん)という漢方薬が医師から注目を集めていることをお話しました。

 抑肝散は、イライラやイライラする、眠れない、まぶたが痙攣する、手足が震えるなどの症状や小児の夜鳴き、落ち着きない、ひきつけなどの症状を改善するお薬であることも紹介しました。

 でも、これら上記の症状を抑えるくすりがなぜ抑肝散(よくかんさん)と名前の漢方薬なのか?

 ここで、少し話がかわりますが、皆さんがよく知っている漢方薬に葛根湯(かっこんとう)というお薬があります。

 いわいる風邪の初期に使われるお薬として、知られています。

 この薬は、葛根(かっこん・・クズの根)という生薬が入ったお薬であります。

 因みに、漢方薬で最後に湯(とう)となっている薬は、煎じて飲む薬であります。

 ですから、皆さんがいつも服用しているツムラの葛根湯は顆粒で服用していますが、本来は生薬を煎じて飲むくすりであることを理解していただきたいと思います。

 では、顆粒のお薬は、どのようにしめされているのかということになりますが・・・・

 これは、最後に散(さん)とネーミングになっている薬が顆粒服用するお薬となります。

 漢方では、散剤(さんざい)とも言います。

 そう、まさしく抑肝散が顆粒で服用する薬となります。

 話を本題に戻して、葛根湯というお薬は、葛根(かっこん)という生薬が含まれたお薬でした。

 他の漢方薬も同じように含まれている生薬がネーミングされていることが、ほとんどなんです。

 でも、この抑肝散(よくかんさん)は、構成されている生薬のネーミングが入っていないお薬なんです。

 なぜ、でしょうか?

 正直、この薬がどうして、このネーミングなったのか、私にもわかりません。

 でも、東洋医学の病態生理から考えると理解できます。

 次回は、そこの部分をお話をしたいと思います。face17


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Posted by 久保田さん  at 14:30 │Comments(0)鍼灸コラム

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