2009年10月20日

病気の原因は、自己の不節制の報いである。(3)

 さて、今回も病気の原因を鬼神から気に変わる歴史の変化をお話します。

 前回は、鄭の国の子産(しさん)という賢人のお話をしました。

 この子産という方は、「春秋左氏伝」という書物の中で出で来る方なのですが、今回もこの書物から初期の医師の姿を紹介したいと思います。

 子産より少し後に出てくる西方の秦の国の医者、和(か)という方のお話です。

 和が晋の平公が病気になり、診断をしたとき、和は「鬼による(祟り)でなく、食べたものでなく、(女色に)惑って志(こころ)を喪失した診断したのです。

 ここでは、鬼による祟りという病気の原因もあると肯定しながらも、女色に節度がなかったために心の病気になったことを主張しています。

 また、彼は女色についてこんなことを言っています。

「女性は陽たる男性に付き従うものですから(この場合、女性は陰)くらい夜のときにこれを用いますと、体内に熱(陽)を生じ、心が惑わされ乱れるのです。」とも言っています。

 これは、節度のない性生活をすると精神病になると言っています。

 また、夜は陰であり、そもそも静かに休むものである。それに反して女色にふけることは、体を休ませなければ活けない時間に体を近い陽であるエネルギーを放散することは、病気になると解説しています。

 つまり、一日の生活リズムを大切にして、休む時間にエネルギーを使いすぎてはいけないと解いています。

 話はか変わりますが、中国の古い医学書には、必ず房中術(ぼうちゅうじゅつ)が出てきます。

 この房中術は、性生活の指南書です。

 性生活の指南書と言えば、卑猥に感じますが、欲に任せた行動を戒め、心も身体も健康になる実践書なのです。

 つまり、中国では節度ある性生活も健康を保つ上で、必要と考えています。

 色んな物がそろっている現代に住む私達は、時に欲が先行した行動をとりがちになります。

 このような行動はいけないと、古代に中国ではすでに言われていたことに、中国伝統医学に凄さがあるよに感じます。
 



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Posted by 久保田さん  at 18:51 │Comments(0)鍼灸コラム

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