2009年10月09日

病気の原因は、自己の不節制の報いである。(2)

 前回は、春秋戦国時代の鄭(てい)の国に生きた子産(しさん)という賢人のお話をしました。

 彼は、晋(しん)の国主の病気に関するから神が病気に影響することを認識しながらも、一日のバイオリズムに従っなかったために、病気が起きたことを発言しました。

 このバイオリズムに従うことの大切さも、彼は次のように発言しています。

 『君子には(一日のうちに)四季同様の時節があります。朝には政(まつりごと)を聴き、昼には人に可否を問いたずね、夕方には法令を修め整え、夜には身を安すめるのです。こうして身体の気にリズムを与えてのべ広げ、気が一部に塞(ふさ)がり滞(とどこお)って形態を痩せさせたり、こころが曇ってあらゆることに節度を乱すことのないようにさせます。今もし(この一日の内の四時リズムに)心身を合致しないと、病が生じるのです。』

 この発言からも、一日の生活リズムに従わないと病気が起こることを解説していますが、注目する点は、気が塞がって病気を起こすといっている点です。

 “気”という存在は、この時代から出てくるのがわかります。

 上記の発言をもう一度整理すると「一日に行うべきことに心身を当てまはめないと、気が滞って病気が起きます。」と言っています。

 ここで、わかることは「こころ」と「からだ」が身体の中にある気の流れに影響して、病気を引き起こすことを示しています。

 そして、彼によれば、身体の気をよい状態におくには以下の条件が必要だと考えていました。

 ①自然のリズムに合致させる。

 ②動かすことと休まることを双方重んじる。

 ③(気が)ある部分のみに集まって滞ることのないようにする。

 つまり、一日のバイオリズムにあわせて、適度な食事と身体を動かしなさいと言っていると思います。

 この発言は、私達現代人にも通じるところがあると思います。

 ちなみに③の気が一部の滞る病気と言うのは、現代の中国医学では、気滞(きたい)と呼ばれています。

 この気滞(きたい)という病気は、ストレスで発症しやすく、現代人に一番多い病気の形です。
 
 さて、次回も病気の原因を鬼神から気に変わる歴史の変化をお話します。


同じカテゴリー(鍼灸コラム)の記事画像
(公社)静岡県鍼灸師会中部支部 令和元年度 第1回学術講習会が開催されました。
第15回 日本鍼灸師会 全国大会IN静岡
上を向いて歩こう!!
第35回日本平桜マラソン大会の鍼施術ボランティアに行ってきました。
今後の健康産業や医療を含むサービス業のマーケティング戦略
平成30年静岡県マスターズ陸上競技会の鍼ボランティアに行ってきました。
同じカテゴリー(鍼灸コラム)の記事
 インフルエンザの予防には、体力も必要です。 (2020-02-10 14:49)
 (公社)静岡県鍼灸師会中部支部 令和元年度 第1回学術講習会が開催されました。 (2020-01-14 15:44)
 第15回 日本鍼灸師会 全国大会IN静岡 (2019-11-29 15:20)
 上を向いて歩こう!! (2019-07-08 14:34)
 アトピー性皮膚炎に対する鍼灸治療 (2019-06-10 11:49)
 住み慣れた街で人生90年を生きるための健康長寿戦略 (2019-05-30 16:01)

Posted by 久保田さん  at 14:30 │Comments(0)鍼灸コラム

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。


削除
病気の原因は、自己の不節制の報いである。(2)
    コメント(0)