2014年05月16日

がんになってもあわてない。

がんになってもあわてない。




 平成26年5月11日 公益社団法人 静岡県鍼灸師会の県民講座が沼津市市民文化センターで開催されました。

 県民講座のお題は『がんになってもあわてない。』と題して、愛和病院 副院長の平方眞先生の講演が行われました。

 平方先生は、山梨医科大学(現:山梨大学医学部)卒業され、平成6年に諏訪中央病院に就職。

 同名誉院長の鎌田實先生(「がんばらない&あきらめない」の著者)に指導を受け、現在は長野市の愛和病院副院長として、日々緩和ケアに従事されている方です。

 今回は講演の要旨をお話ししたいと思います。

 日本では、現在毎年130万人ぐらいが死亡し、毎年3万人づつ死亡者が増えているそうです。

 2038年には約170万人とピークを迎え、その後30年は毎年150万人以上が亡くなる時代が続く、まさしく「多死社会」になるそうです。

 その死亡原因として、がんで亡くなる方が3分の1ともっと多い。

 また、平方先生は、一般の方でもわかりやすくがんという病気を説明してくれました。

 「がんとういうのはどうゆう病気か」

 ☆身体の中にある正常な細胞が、異常な性質を身に着けてがん細胞になる。
 
 1)必要がないのに細胞分裂をする。

 2)細胞分裂をする回数に制限する。

 *1)2)は、必要以上の細胞分裂をすることにより内臓自身の形が変形し、圧迫し内臓本来の働きを妨げる。
 (例:肺であれば、呼吸障害、肝臓ならば栄養補給・解毒などを障害する。)

 3)本来の居場所でないところでも生きていける。(転移)

 がんの治療ですが、三本柱の治療として手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)があります。

 ☆手術療法
 ・がんの手術療法は、がん細胞の塊をすべて身体から取り除く治療。
 
 ・目で見えず検査でも見つからないちいさながんがあると取り残す可能性がある。

 ・転移がある場合などは、そこも完治させられる見込みがなければ、原発巣を切り取っても治せない。

 ・人為的に大けがをさせるのと同じなので、身体には負担がかかる。

 ☆放射線療法
 ・放射線治療は、がん細胞に放射線を当てることで細胞分裂できなくする治療。

 ・放射線は身体を突き抜けるため、病気の手前や奥の細胞が影響をうける。

 ・日本では放射線治療医や治療施設が少なく、他国に比べてあまり行われていない(設備の改善は進んでいる。)

 ☆化学療法(抗がん剤治療)
 ・抗がん剤治療は、がん細胞の分裂を抑える薬を投与する治療法。

 ・近年の科学療法の進歩には目覚ましいものがある。大腸癌では4倍以上の延命。

 ・以前は正常な細胞分裂も抑えてしまうために副作用が多かったが病気の細胞だけに働く薬が続々開発されている。

 ・しかし、効かない種類のがんもまだ多い。

 講演では、「近年治療により、がんの延命が伸びており、がんは体の中にあっても、天寿を全うすることが理想でないか。」と平方
先生は、お話しになりました。

 さて、先生の専門である緩和ケアですが、旧来の定義では「治療不可能な状態にある患者および家族のクオリティーオブライフ(生活の質)の向上の為に様々な専門家が協力して作ったチームによって行われるケアを意味する。」となっていました。

 しかし、2002年 WHOからの新定義「生命を脅かす疾患による直面している患者をその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的問題、心理社会的問題、スピチュアルな(霊的な・魂の)問題に関してきちんとした評価を行い、それが障害とならないように予防したり対処したりすることで、クオリティーオブライフ(生活の質)を改善するためのアプローチである。」とされたそうです。

 なので、新しい定義では、「末期である」とか「死を覚悟している」必要なく、困ったことがあれば緩和ケアを受けられ、また治療と緩和ケアは同時で受けられる。

 では、具体的に緩和ケアは何をしているのか
 ・体の症状を軽くする。(身体的苦痛のケア・・・痛み、息苦しさ、だるさなどをやわらげる。)

 ・心の苦痛を軽くする(精神的苦痛のケア)

 ・社会的な問題に対応する(仕事や生活の問題、医療費の問題等)

 以上が主な講演内容をお話ししましたが、平方先生は本も出しており、もし興味がある方は先生のブログ(http://air.ap.teacup.com/awatenai/)を見てください。face22




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Posted by 久保田さん  at 15:25 │Comments(0)健康

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