2009年05月15日

現在の治療法との出会い③(奇跡を起こした治療に出会った編)

 私の勉強していた麻酔科では、研修生の先輩たちが、入院患者のお世話をしていました。仕事の内容は、日中の患者さんとの運動と鍼灸治療(しんきゅうちりょう)を行っていました。

鍼灸治療は、他の科のように西洋医学の解剖や生理を根拠した治療法でなく、中医学(中国伝統医学)をベースにした治療を行っていました。おそらく、病院内で一番東洋医学的な治療ができた科だったと思います。

 かの私も麻酔科に入って、先輩から強制的に中医学を勉強させられました。そして、現在の治療法に出会ったのでした。

最初にこの治療に出会ったときに、“正直こんな少ない鍼で治るの?”と半信半疑の状態でしたので、なかなか科に馴染めない状態でした。その状況を見ていた先輩からよく絞られました。仕方なしに、難解な中医学の勉強をしだして、半年がたった時に転機が訪れました。

 20年以上の不眠症の患者さんが麻酔科に入院してきました。私が始めて担当した患者さんです。睡眠薬が全く効かない人で、治療はテンプレート・漢方薬・運動・鍼灸治療を行いました。しかし、実際は漢方薬もあまり使わず、治療のほとんどは鍼灸治療でした。

私は、この患者さんに手の合谷(ごうこく)と足の太衝(たいしょう)の2つのツボで治療を行い、約2ヶ月間ほぼ毎日治療を行った結果、不眠症が改善したのです。

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後から考えれば、入院しているから規則正しい生活をしており、それに加えて日中運動しているので、夜間眠りに入
りやすい状態でした。

 でも、“この時初めて不眠症を治したこと、しかも20年も苦しんだものをたった2つのツボで治した。”と自分の中で興奮し、この時初めて鍼灸治療のすごさを感じました。

 この感激に味をしめてしまった私は、徐々にこの少ない鍼治療(はりちりょう)にのめり込んでいきました。



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Posted by 久保田さん  at 14:27 │Comments(0)治療について

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